《顕微鏡》を使ったまぶたの手術
私が手術をはじめた頃はまだほとんどの医師が裸眼で手術を行っていました。数年たった頃から《手術用ルーペ》を使うようになり、術野の鮮明さに驚いたことが昨日のことのようです。今では多くのまぶたの手術を《手術用顕微鏡》をつかって行っています。
顕微鏡をつかったまぶたの手術をすすめてくださったのは高名な形成・美容外科医である札幌の蘇春堂形成外科、野平久仁彦先生でした。学会でお会いした際に顕微鏡を使った手術についてお聞きしたところ、非常にいい方法だから強くおすすめするというお墨付きをいただき、顕微鏡での手術を始めるきっかけをいただきました。
実は眼科では、以前から顕微鏡手術採用していました。すでに多くの眼科医にとって、眼球やまぶたの手術に顕微鏡が欠かせない存在となっています。すこし遅れて形成外科や美容外科でも顕微鏡のメリットが広く知られるようになり、最近ではまぶただけでなくさまざまな手術に使用する形成外科医が増えているようです。
《手術用顕微鏡》をつかうメリットは、小さいものが大きく見えることだけではありません。
①こまかいところや深いところが細密で立体的に見えるため、構造を正確に把握してより精密な手術が可能になります。
②とてもほそい血管までよく見えるため、しっかりと止血することができ、出血や腫れ、内出血を最小限にすることができます。
③手術するところを首を曲げてのぞき込む姿勢ではなく首を伸ばした《いい姿勢》で見ることができるため、術者の体の負担が少なく手術中の疲労が軽減できるため、より手術に集中することができます。
④モニターで助手や看護師が拡大された顕微鏡の術野を見ることができ適切な手術介助などに役立ちます。
手術をする医師、手術を受ける患者さん、どちらにとってもメリットの大きい顕微鏡は顔のクリニック金沢でのまぶたの治療にかかせない大切な道具です。
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執筆
山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko
顔のクリニック金沢 院長
経歴:
岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師
形成外科 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師