「しみ」の塗り薬治療
今回はしみの塗り薬を使った治療について詳しく説明します。
しみは紫外線の影響と年齢により皮膚のターンオーバー(再生)が遅くなることで目立ってきます。ビタミンAの一種である《トレチノイン(レチノイン酸)》は米国のFDAでにきびやしわへの効果が認められている塗り薬ですが、ビタミンAの作用でターンオーバーのスピードが回復すると肌のくすみやしみの改善が期待できます。
レーザーかトレチノインか?
当てはまる個数が多い方はどちらですか?
□色が濃くはっきりしたしみだけ治療したい
□定期的に通院ができない
□毎日のこまめなスキンケアが苦手
・・・レーザー治療をおすすめします。
□細かいしみがたくさんあってなんとかしたい
□色の薄いしみも気になる
□自分に合う化粧品を探している
・・・トレチノインを使った治療をおすすめします。
トレチノインの使い方
トレチノインの使い方には次の2つがあります。
・「しみ」の部分だけを治療する《東大式》プログラム
・顔全体を治療する《肌再生》プログラム
どちらの方法でも《トレチノイン》を使いはじめると一時的に赤みやかさつきなどの反応が出ます。これはアレルギー反応ではなくトレチノインの作用によるもので、4〜6週で落ち着いてくることが多い症状です。色素沈着や新たなしみの発生を予防するための 《ハイドロキノン》を併用します。ハイドロキノンのアレルギーで赤みが強く出る場合があり、心配な方にはプログラム開始前にパッチテストを行います。
《東大式 》トレチノインプログラム
治療のために必要なものは《トレチノイン》、《ハイドロキノン》の2つです。洗顔や化粧水などの基礎化粧品はピーリング成分やアルコールなどを含まない低刺激のものを選んでください。効果を期待してたくさん塗りすぎたり、かさつきが気になって擦りすぎたりすると痛みなどの症状が出ることがあります。使い方に慣れるまでは少なめの量で開始し、定期的に診察を受けることをおすすめします。治療する範囲によって使用する薬の量が変わりますが、費用は6,000〜18,000円程度です。
顔全体を治療する《肌再生》プログラム
顔全体に使いやすいよう洗顔から日焼け止めまでの基礎化粧品がセットになっています。顔全体の細かいしみやくすみ、毛穴の開きなども気になる方には最適です。輸入品、国産品含めいくつかの製品がプログラムとして販売されています。治療中は基礎化粧品をすべてプログラムの化粧品に切り替えます。ファンデーションやポイントメイクなどはお手持ちのものを使えます。
①米国発のパワフルな《オバジゼオスキンヘルス 》
洗顔や化粧水などの基礎化粧品がセットになったパワフルな18週間(約4か月半)の集中治療プログラム、米国発の《オバジゼオスキンヘルス》です。 《オバジ》という名前で薬局などで販売されている化粧品とはちがい、クリニックだけで取り扱いされる化粧品です。18週間治療を続けるので洗顔や化粧水など途中で買い足す必要があり、使い方にもよりますが洗顔や日焼け止めまでフルで使用すると18週間で80,000〜100,000円になります。
②国産のマイルドな「ブライセル」
低刺激でマイルドな《ブライセル》はリセルラボが日本人向けに開発した国産のプログラムです。使い切りサイズで治療期間も2か月と手軽に始めやすいのが特長です。洗顔から日焼け止めまでふくまれた2か月分のセットで53,460円(税込)、こちらもクリニックのみの取り扱いです。
次回は塗り薬治療後のメンテナンスについて説明します。
※トレチノインを使った治療は医師の処方と定期的な診察を受けることをおすすめします。