まぶたが腫れぼったくみえる
理由と対策
まぶたが腫れぼったく見える理由
まぶたが腫れぼったくみえる理由はまぶたが厚いためです。ではまぶたの厚みの原因とは何でしょうか?
まぶたの厚みの原因となっている構造はまぶたの位置によってちがいます。
①まつげの生え際エリア表面から皮膚→皮下組織→眼輪筋→瞼板前組織→瞼板となっています。
まぶたの腫れぼったさを減らすには表面に近いところを薄くすると少量でも効果が出やすい反面、デコボコになるリスクが高くなり、深いところを薄くするとしっかりボリュームを減らさないと効果がわかりにくいというデメリットがあります。
皮膚:厚みは生まれつきのものなので減らすことができません。さかまつげやまつげのきわのぷっくり感、ハム目が気になる場合は少量皮膚を切除することでまつ毛の際をみせてすっきりさせることができます。
皮下組織:通常とてもうすいため切除してもまぶたをすっきりさせる効果は期待できません。
眼輪筋:個人差がとても大きい部分です。厚みがある場合はうすくすることでスッキリとした目元になります。
瞼板前組織:個人差がとても大きい部分です。深いところにあるためもともと厚い場合に切除してもまぶたをスッキリさせる効果が少ない部分です。
瞼板:薄くすることはできません。
まとめ:①の睫毛の生え際エリアで腫れぼったさを減らす効果が高いのは「眼輪筋」です。
②③まぶたの中央〜上エリア
表面から順に皮膚→皮下組織→眼輪筋→隔膜前脂肪(上のほうではROOF)→眼窩隔膜→眼窩脂肪となっています。
このエリアで腫れぼったさを減らすときも表面に近いところを薄くすると少量でも効果が出やすい反面、デコボコになるリスクが高くなり、深いところを薄くするとしっかりボリュームを減らさないと効果がわかりにくいというのは睫毛の生え際エリアと同じです。
皮膚:厚みは生まれつきのものなので減らすことができません。この部分の皮膚をふたえラインのあたりで切除しすぎると眉の近くの厚ぼったい皮膚がふたえラインの近くにくることになり、さらに腫れぼったい印象になってしまうことも。皮膚が余っている、たるんでいる場合にすっきりさせたいようなら眉下での皮膚切除(眉毛下切開法)がよい適応です。
皮下組織:通常とてもうすいため切除してもまぶたをすっきりさせる効果は期待できません。
眼輪筋:個人差があります。このエリアで眼輪筋を減量すると凹凸になったりふたえのラインがたくさんできてしまったりするため切除はおすすめしません。
隔膜前脂肪・ROOF(ルーフ):眼窩脂肪を包む眼窩隔膜の前にあるため、隔膜前脂肪とよばれます。retro-orbicularis oculi fatを略したROOFといわれることもあります。この部分の厚みには個人差があり、まぶたが腫れぼったい原因になっていることもあります。ふたえラインの上〜眉下までの広い範囲を減量することができるため、特に腫れぼったさが目立つ場合や、他の手術ですっきりしないときはこの脂肪を切除することも要検討です。
眼窩脂肪:眉下部分、イラストの③のあたりの腫れぼったさの原因になっていることがあります。切除することで眉下のふくらみ感、腫れぼったさを減らすことができます。年齢とともに中央〜目尻側がくぼんでくるため、くぼまない程度の切除にとどめることをおすすめしています。
まとめ:②③ふたえライン上から眉下までのエリアで腫れぼったさを減らす効果が高いのは「眼窩脂肪」と「ROOF」です。
執筆
山下 明子 医師
YAMASHITA, Akiko
顔のクリニック金沢 院長
経歴:岐阜県出身
平成15年 富山医科薬科大学(現富山大学)医学部卒業
同年 金沢医科大学形成外科入局
平成18年 産業医科大学形成外科留学
平成26年 金沢大学皮膚科形成外科診療班
平成29年 顔のクリニック金沢専任医師
専門医資格等:
日本形成外科学会 専門医
日本美容外科学会(JSAPS) 専門医
金沢医科大学形成外科学 非常勤講師
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