【学術活動】顎顔面外科手術:
見えない術野の操作を伝えるために行っていること
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●第66回日本形成外科学会総会・学術集会
パネルディスカッション5
顎顔面外科手術:次世代への伝承~見えない術野の操作をどのように伝えるか~
【顎顔面外科手術:見えない術野の操作を伝えるために行っていること】
現代の顎矯正手術 orthognathic surgery の多くは、上顎 Le Fort I 型骨切り術と両側下顎枝矢状分割骨切り術により行われている。
最も基本的で汎用性の高いこの2術式は、下顎前突症や上下顎前突症、小顎症、開咬、顔面非対称、美容外科骨切りなど、ありとあらゆる症例で普遍的に用いることができる。
手術では、
1.なるべく少ない器機を使用し
2.なるべく少ない手数で
3.なるべく単純な方法で
行うことを心がけている。シンプルな手術を繰り返し行うことで、手技の習熟度は格段に高まる。また、その際に意識をしていることは・術式の選択により見えない術野そのものをなるべく少なくすること・術野を常に録画すること・見えないこと自体を共有すること、である。
本パネルディスカッションでは、現在演者が行っている顎変形症に対する下顎形成術の術中動画を供覧するとともに、日常の手術では確認しがたい術者の目線や、やや深い術野での手術操作についても詳細に解説した。
監修:顔のクリニック金沢、金沢医科大学形成外科 医師 山下 昌信